先生は蒼い瞳の狼くん





「それとね…それだけじゃないの」


「え?」


「龍之介さ、一回殴っただけで後は何もしないでただ殴られてただけなんだ」


「……」

「もし、理由を知られて自分のために喧嘩したなんて考えるサラが可哀想だから、一発以外は絶えたみたい」


苦笑いを浮かべる瑠花に私も苦笑いで返す


「あーあ、喋っちゃったから怒られるけど…まぁ、気にしないようにしよう!」


「………」


「どうする?」

「え?」

「龍之介のこと、何か言いたいなら…多分教室にいるから」


あ…

「私は保健室に戻ってるから、後はサラの好きにしな?」


「瑠花、でもわたし…」

龍之介くんが、そんな風に私の事を思って行動してくれたのは、凄く嬉しい

だけど…


「その、ずっと昔の事を隠してて…知られた今、龍之介くんにどう接したらいいか…分からない」

「は?」


それに、私のために、そんな事をしてくれて、正直戸惑っている


どうして…龍之介くんは殴られてまで、そんな事をしてくれたんだろう


.
< 357 / 403 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop