先生は蒼い瞳の狼くん





「傷、まだ痛い?」


そう聞くと、少し龍之介くんは首を縦に振った



「そっか…」

「だけど、最初よりは良くなった」


「そう」

「サラが膝枕してくれたからな」


ニヤリと笑う龍之介くんに私は頬が赤くなる


そ、そう言えばお昼にそんな事をした…だけどあれは、龍之介くんがあんな風にねだるからであって…


「恥ずかしいから、言わないで」


そう目の前でばつ印を作ると龍之介くんは笑いながら再び口元を触る


それを見ると、胸が痛くなって…私はそっと龍之介くんの右手に触れた


「…っ!?」

「ねぇ、龍之介くん」


「な…なんだよ」


「ごめんね。あのさ、瑠花から全部聞いたの」


私がそう言うと、その意味が分かったのか…龍之介くんはチッと舌打ち


「言うなって言ったのに…瑠花の奴」


頭をグシャグシャとかきみだして私に背中を向けてしまう



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