先生は蒼い瞳の狼くん




「あ、すみません…なんか、前に会った事がある気がして」


「は、はぁ…」


「以前、この病院には?」

「いえ、初めてです」


多分、第一…この地域に来たのは初めてなんだ


「そう、すまないね。変な事を言って」


「いえ」


そう首を振ると、クスリと隣りに立つ看護婦さんが笑う


「先生、若々しい女子高生に使う新しい口説き文句ですか?」


「え?!まさか!まぁ、僕は若い子は大歓迎なんだけどね」


「いやだ、先生ってば」


笑い合う二人に私も思わず笑みをこぼす


やっぱり、先生同士も仲が良いんだな…


「雪村さん、すまないね。取り敢えず胸の音聞かせてもらえる?」


「はい」


来ていたシャツを看護婦さんにめくられ、ひんやりとした聴診器を当てられる



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