先生は蒼い瞳の狼くん
――――……
私が出て言った診察室に男性と女性の声がする
「先生が前に言ってた女の子ってあの子の事だったんですね」
「そうだよ」
「なんか、そんな感じします。お優しそうな目元が彼女の人物像を表してますね」
「あぁ、人見知りの凛がなついていたからな」
「ふふ、ですね。でも先生…それならなんですぐに気付かなかったんですか?」
「ん?あぁ」
「??」
「なんか、マジマジと顔を見たら、こないだが初めてじゃなくて…もっと小さい頃にあった気がしてね」
「もっと、小さい時ですか?」
「あぁ」
そう言い"雪村サラ"と書かれた用紙をその彼女に渡す
「すまないけど…頼んでいいかな」
「あ、はい。分かりました。院長」
受け取った彼女は、そのままどこかに行ってしまい
残された先生はペンを数回回してクスリと口元を歪ませていた
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