先生は蒼い瞳の狼くん






「あ、悪い。ありがとな」


先生は私にそう言ってからカーテンを開けてまた頭を擦りながら歩き出す



「あ…いえ」


まだ頭痛いんだ…


でもよく考えると、ベッドから落ちるなんて見た目と違って抜けてる所があるんだな


なんだか可笑しくて、先生に見つからないように背中越しに微笑むと


「雪村」


「!!」


いきなり呼ばれて、笑ったのがバレたかと思いきや椅子を指さす


「ほら消毒するから、座ってくれ」


「あ、はいっ」



よ、良かった、バレてない



私は椅子に座り右手を出すと先生がその手に触れて器用に包帯を外していく


「もしかして雪村、一人でここに来たのか?」


「え?」


「なんて、そんな訳ないか。で、瑠花はどこに行ったんだ?」



そう言い私にゆっくりと視線を写す



「あっと、瑠花…は?」

……え?


質問に答えようと、視線を少し先生に向けた瞬間…私は思わず、その瞳に釘付けになる



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