先生は蒼い瞳の狼くん






「あぁ、正確には"会えなくなった"だけどな」



「………?」


「俺の母親が少し病気して入院しててその時、向かいの部屋にいたのがその子だった。仲良くなって、退院してもしょちゅう会いに来てくれてたんだが、俺が中学卒業したら地元の高校じゃなくて地方の高校に行ったから必然的にって感じだな。同時に母親も退院したから会えなくなるのは仕方がなかった」


「…」


「だから、雪村に目が好きって言われて、つい思い出した」



「…………」


そうなんだ…なんか…


「切ないですね…」


「?」


親しかった人と会えなくなるのは寂しいと思う


いくら年齢が離れていても、そんな思い出があるなら尚更



だから…


私は座っている先生を軽くだけど、自分から真っ直ぐに見て…


少しだけうっすらと微笑む



.
< 55 / 403 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop