終末の法則
 そうだそうだ。余計なことを言っていないで決着を付けなさい。

 黒騎士の仮面に直撃し、黒騎士はのけぞるように、離れた。

 それを追って、今度は勇者が斬り込む。

 無限の刃を持ち直す前にエア・ソードがブレードをなぎ払い、黒騎士の手から無限の刃を弾き飛ばす。

「ちっ」

 舌打ちをする黒騎士へ、大上段から、渾身の一撃を放った。

「はっ!」

 気合いと共に袈裟掛けの一撃が決まる。

 一拍おいて血飛沫があがり、勇者の視界を紅に染め、ゆっくりと倒れた。

 勇者に飛んだ黒騎士の血は、勇者に触れることなくメイル・オブ・エアの見えない空気の壁に弾かれ、宙に散った。

 勇者は、倒れる黒騎士の弾け飛んだ仮面の下の顔に、動けないでいた。

「クロウ、クロウ・輝《き》・タクマラート」

 その顔を見て、自然にその名を口にしていた。それは半年前、邪神兵軍団に殺されたはずの幼なじみであり、最愛の人の名だった。

 あのですね、そこはファム・華《ふぁ》・シュラートって名前にしてくれません?
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