終末の法則
「そりゃあ、主観はともかく、客観的に半年も一緒にいたんだもの、結果を急ぐあまり、ずさんな時間進行したから過去歴史に未決定事項が出来て、それがあたしの名と共に決定したのよ。つまり、あたしが名前を思い出した時点で、時晶球が教えてくれたのよ」

 なんですと、そんな馬鹿な。時晶球は選ばれた伝承者にしか操れないはず。

「そうでもないみたいよ。結局、時晶球は単なる道具で、使い方が判れば、誰でもいいのよ」

 やはり、あなたは危険ですね。これ以上干渉されない内に消えてもらいましょう。

「そうも行かないわ。だいたいあたしは支配されるのが嫌いなの。とくに、あなたみたいなわけの判らない自分勝手な奴にね。だから」

 ひっ、何をするのです。いきなりそんなもので切りつけるなんて。

「やっぱりそうね。あなたは干渉している相手からなら干渉できるのよ」

 つまり、それはそのまま時晶球にも当てはまるって事。こんな風にね。

「へっ?ああ、台詞に、かぎ括弧が」
< 19 / 24 >

この作品をシェア

pagetop