終末の法則
「それは判った。判りすぎるほど判ってると言っていいわ」

 この危機に瀕した世界に、今一人の勇者が名乗りを上げ、世界の救世主として邪神官奇夢露を倒すべく旅立とうとしていた。

「ちょっと待った。だから、何でそれがあたしなわけ?」

 勇者の名は……えーと、名前はなんと言ったかな?

「マフィス・麗《れい》・デイアメイヤ、皆からは麗ちゃんて呼ばれてたのよ。その皆は死んじゃったけど」

 何とも勇者らしくない名前だな。よし、いまから、カウストロ・雷電《らいでん》・デイアメイアと名乗るがよかろう。はい、決まりね。

「なにそれ、そんな男の子みたいな名前勝手に付けないでよ。それにデイアメイアって不吉な語尾にしないで」

 やはり勇者なら、力強く、多少呪われていた方が……。
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