終末の法則
 未来が、伝承者のいない歴史を決定したのだ。もともと、歴史上に登場しない存在なのを時晶球による干渉によって存在させていたのだ。

 哀れなものだ。

 でも、同情はしない。あいつのせいで何百万もの人が死んだのだ。

 中にはあたしの家族とクロウも含まれている。

 あいつのいいように決定された歴史は修正できない。

 だが、これからはあたしが決定する。

 ゆっくりと瞼を閉じる。

 そして、開くと、そこはクロウと戦った丘の上だった。

 大邪神殿都市のあったところは、巨大な湖に変わっていた。

 筋書きは、あたしと奇夢露の激しい一騎打ちの末、奇夢露は破れ、残った邪神の気で汚れきった大邪神殿都市をあたしが水の力で清め、湖底に沈めて封印したと言うところだ。
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