飛行機雲
この学級委員はいつも授業をさぼる私たちに目を付けている。
メガネをかけていていかにも真面目そうな子。
『あんたたち先生に言い付けるわよ』
いがんだメガネをなおしながら怒った顔で言う。
先生に言い付けるとか小学生みだい。
学級委員のくせに。
『すきにすれば?』
そう言って教室を出た。
どいつもこいつもウザイやつばっかり。
『ウザイよね〜』
ケラケラ笑いながら優菜が言う。
『うん、でどこ行く?』
『店がいっぱい並んでるとこ知ってるからそこ行こ』適当に目的地を決めて靴箱で靴を履き替える。
『なぁ月乃やろぉ』
後ろから声がして振り向くと弘人が立っていた。
『弘人?なんで…』
もう授業が始まっているのに。
優菜がニヤニヤして私と弘人をみている。
『ねぇ誰?』
興味をもったのか優菜がすごい笑顔でよってくる。
『ただの知り合い』
関西弁だから興味もってんのかな。
顔もかっこいいし。
そんなこと考えていると
弘人がこっちまできていた。
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