ラブ&ブレーク!!【短編】
「また追い出せれたね」
「…ああ、それにしても、おまえ、ホントに忘れてるんだな」
いつも通りの光景を繰り広げようとしたら、
なぜか高志に呆れた顔で変なことを言われた。
「…忘れてる?」
何を?
高志が何のことを言ってるのかわからなくて、首をかしげた。
「…いいや。今日も本屋に行くか」
高志は何かを諦めたように、言った。
「…うん?」
あたしは訳がわからないまま、うなずいた。
まだ肌寒さも残るけど、日差しが暖かい5月の陽気。
その中を10分ほど歩く。
そして、大通り沿いに建つ本屋の自動ドアをくぐった。
その途端、
突き刺さる視線。