ラブ&ブレーク!!【短編】
どうやら、人にぶつかりそうになってたあたしを助けてくれたらしい。
あたしはお礼を言うと、慌てて高志から離れ、
近くにあったファッション雑誌で顔を隠した。
今、きっと、
顔が赤くなってる…。
高志は気にした風もなく、
メンズファッション誌の方へ向かった。
それを横目でこっそり見て、あたしはホッと雑誌をおろした。
ちょうど開いていたページは靴の特集だった。
あ、これ可愛いパンプス。
生成り色にベージュと茶、薄ピンクのドット模様。
無地物の服の時なら、こういう模様入りの靴でもいいかもな。
でも。
そのパンプスは5センチくらいのヒールになってて、
あたしは悲しくなった。
見てるだけ…。