余命一カ月の僕
そう言った春香の眼が
青白く光る。


満月の下
春香は心底楽しそうに笑ったんだ。


「ああ…あ」


先生の声が聞こえる。


「閉まらない。壊れてる!


安全バーが壊れてる!助けてくれ!」


先生の叫び声が
響き渡る。


しかしコースターは
もうすぐ頂上に登り切ってしまう。


その時春香は
最高の笑いを響かせたんだ。




「どう?最高の絶望は?」



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