余命一カ月の僕
下を向いたまま動かない。
肩を揺らしすすり泣いている。


コースターから降りた僕たちは
階段を下り

また再び
地上へと戻ってきた。


こちらへ駆け寄ってくる大人たち。


その人たちを春香は
手を挙げて制した。


「こっちに来ないで!」

春香は持っていたナイフを
僕の喉元に突きつけた。


「まだ終わってないよ」





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