余命一カ月の僕
「春香!春香!春香…


大好きだ!」


僕はそう叫ぶと
春香はうっすらと眼を開け


僕に向かって
にっこりと笑った。


川で会った時そのままの
ブラウンの瞳の

可愛い笑顔は


僕の心に焼き付いて
離れなくなってしまった。


それが春香の姿を見た
最後だ。


長い夜は終わった。
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