余命一カ月の僕
僕が外に出ると
閉められる檻の扉。


春香と僕を
永遠に隔てる

檻の扉は閉められた。


「分かったかい?

春香は君が考えているような
明るくて素直な女の子じゃない。

むしろ心の闇に支配された
悲しい女の子なんだ」


僕の背中に向かって
先生はそう言った。

僕はなにも言わず
扉から出て行く。

がしゃ…

春香をつなぎとめている
鎖がまた音を立てた。

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