クリスマス・ハネムーン【ML】
「ハインリヒ……」
「君が言った『新しい恋人』が。
絶対にあり得無いジョナサン・ボガートだったから。
岩井君とも、ある程度冷静に話が出来たが……
そうでなければ、きっと、めちゃくちゃだった」
ハニーがささやくたびに。
甘く痺れて来るような思いが僕の首から、全身に。
ゆっくりと染み渡って来る。
「私は、かなり嫉妬深く、自分勝手な人間だ。
私が、君を守る、と誓ったのに。
結局、守ってくれたのは君の方だ。
それでなくとも、愛しい君が。
私の為に命を賭け、身体を張ってくれたんだ。
更に愛情が募って苦しいほどなのに。
例え、冗談でも、別れると言われて、納得出来るか?」
「……ハインリヒ」
「……そんな風に、私を呼ぶのは、やめろ。
別れの予感に、心がちぎれそうだ。
岩井君の頼みなら絶対。
毒の調合などしない。
けれども。
螢が、私と本当に別れると言うなら、思いあまって作り始めるかもしれないぞ?」
「まさか……!
原材料も、機械も、個人では、手に入らないって!」
ハインリヒの、声音に、ただならぬものを感じて。
思わず。
身を離して彼の顔を見ようとしたけれども。
ハニーは、僕をますます強く抱きしめた。
「ああ、しかし。
『私』は、これでも、少しは、名の通った研究者だからな。
社所有の機材を盗み出し……
書類を偽造すれば……
職も信用も全てを失うつもりでやれば。
……ただ一回だけなら……
街を丸ごと葬る毒を作り上げることが出来るかもしれない」
「……!」
驚いて声も出ない僕に。
ハニーは、『約束』を覚えているか?
……と聞いた。
「君が言った『新しい恋人』が。
絶対にあり得無いジョナサン・ボガートだったから。
岩井君とも、ある程度冷静に話が出来たが……
そうでなければ、きっと、めちゃくちゃだった」
ハニーがささやくたびに。
甘く痺れて来るような思いが僕の首から、全身に。
ゆっくりと染み渡って来る。
「私は、かなり嫉妬深く、自分勝手な人間だ。
私が、君を守る、と誓ったのに。
結局、守ってくれたのは君の方だ。
それでなくとも、愛しい君が。
私の為に命を賭け、身体を張ってくれたんだ。
更に愛情が募って苦しいほどなのに。
例え、冗談でも、別れると言われて、納得出来るか?」
「……ハインリヒ」
「……そんな風に、私を呼ぶのは、やめろ。
別れの予感に、心がちぎれそうだ。
岩井君の頼みなら絶対。
毒の調合などしない。
けれども。
螢が、私と本当に別れると言うなら、思いあまって作り始めるかもしれないぞ?」
「まさか……!
原材料も、機械も、個人では、手に入らないって!」
ハインリヒの、声音に、ただならぬものを感じて。
思わず。
身を離して彼の顔を見ようとしたけれども。
ハニーは、僕をますます強く抱きしめた。
「ああ、しかし。
『私』は、これでも、少しは、名の通った研究者だからな。
社所有の機材を盗み出し……
書類を偽造すれば……
職も信用も全てを失うつもりでやれば。
……ただ一回だけなら……
街を丸ごと葬る毒を作り上げることが出来るかもしれない」
「……!」
驚いて声も出ない僕に。
ハニーは、『約束』を覚えているか?
……と聞いた。