クリスマス・ハネムーン【ML】
 多分、もしかしたら。

 僕の返答いかんでは、現代の……現実の魔王が降臨するかもしれない。

 そんな、危険が孕んでいた。

 私の心臓の位置は、ここだ、と。

 軽く握った親指の先で差し示し。

 淡々と喋るハニーの心の真実を。

 ただ彼の緑色の瞳だけが、物語っているようだった。

 ハニーの本当の姿は。

 嫉妬深くて、強引で。

 ともすると、人を傷つけるのさえ、ためらわない。

 キレイとは言い難い人間だった。

 ……それでも僕は。

 ハニーのことを愛しているんだろうか?

 しかも、今は。

 僕の好きな実力を伴った俺さまタイプじゃない。

 まるで、捨てられる寸前の子犬のように。

 不安で、寂しそうな瞳、なんて。

 そんなのハニーには、似合わないのに。

 僕は。

 ハニーの瞳をじっと見つめて、頷くと。

 今日、初めて。

 自分から、ハニーの首に、両手を伸ばして、抱きしめる。




 そして、僕は。


 彼に向かって、真実(ほんとう)の言葉をささやいた。












 
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