クリスマス・ハネムーン【ML】
「……そうでもない。
だけど、螢君が王子なら。
人魚姫は、私の方か……と思った」
「……へ?」
何だか、やけに真剣な顔をして言う、ハニーの言葉に。
身長が190センチ近くある、細身でもでっかい、緑色の瞳の人魚姫が。
おほほほ~~ とか笑いながら。
どばびゅ~~ん、と海の中を突き進んでゆく姿を想像して。
僕は、思わず。
その場で、がっくりと膝をついた。
「やめてくれ~~
似合わなすぎて、笑えるから。
ハニーは人魚姫よりも、海の王様の方がいいぜ、絶対。
……それに」
座ったことによって、ぐん、と近くなったハニーの顔を見ながら僕は、ため息をついた。
「人魚姫の話は、嫌いだ。
海に住んでるキレイなお姫さんが、恋に敗れて泡になる話だろ?
悲しい話は苦手だし」
そんな、僕の言い方に、ハニーがちょっと笑った。
「悲恋だな。
物語では、確かにそう、だ。
でも、本当は。
王子が人魚をちゃんと愛してやっていたのなら。
……人魚は、泡になって消えなくてすんだはずだった」
「……何が言いたいんだ、ハニー?」
なんとなく奥歯にモノが挟まったような言い方に、ハニーの方を見れば。
ハニーは、寝転んだまま、自分の右手を自分の額にあてて、落ち込んでいるようだった。
「螢は、信じてくれないかもしれないが。
私は、こんな所にまで、仕事の話を持ってくる気は無かったんだ……
クリスマスイヴの昨日は、飛行機のシートの上。
クリスマス本番の今日は、私の仕事の都合で、別々だなんて。
……君は、絶対怒ってるだろう?」
今日の晩さん会は、元々欠席するつもりだったし。
本当は行きたくないんだ、なんて言いだしたハニーに、僕はふっ、と笑う。
「……なんだ、そんなことか」
だけど、螢君が王子なら。
人魚姫は、私の方か……と思った」
「……へ?」
何だか、やけに真剣な顔をして言う、ハニーの言葉に。
身長が190センチ近くある、細身でもでっかい、緑色の瞳の人魚姫が。
おほほほ~~ とか笑いながら。
どばびゅ~~ん、と海の中を突き進んでゆく姿を想像して。
僕は、思わず。
その場で、がっくりと膝をついた。
「やめてくれ~~
似合わなすぎて、笑えるから。
ハニーは人魚姫よりも、海の王様の方がいいぜ、絶対。
……それに」
座ったことによって、ぐん、と近くなったハニーの顔を見ながら僕は、ため息をついた。
「人魚姫の話は、嫌いだ。
海に住んでるキレイなお姫さんが、恋に敗れて泡になる話だろ?
悲しい話は苦手だし」
そんな、僕の言い方に、ハニーがちょっと笑った。
「悲恋だな。
物語では、確かにそう、だ。
でも、本当は。
王子が人魚をちゃんと愛してやっていたのなら。
……人魚は、泡になって消えなくてすんだはずだった」
「……何が言いたいんだ、ハニー?」
なんとなく奥歯にモノが挟まったような言い方に、ハニーの方を見れば。
ハニーは、寝転んだまま、自分の右手を自分の額にあてて、落ち込んでいるようだった。
「螢は、信じてくれないかもしれないが。
私は、こんな所にまで、仕事の話を持ってくる気は無かったんだ……
クリスマスイヴの昨日は、飛行機のシートの上。
クリスマス本番の今日は、私の仕事の都合で、別々だなんて。
……君は、絶対怒ってるだろう?」
今日の晩さん会は、元々欠席するつもりだったし。
本当は行きたくないんだ、なんて言いだしたハニーに、僕はふっ、と笑う。
「……なんだ、そんなことか」