クリスマス・ハネムーン【ML】
 ハニーを愛してるし。

 愛されている……



 それが実感出来るから。

 今は、部屋に一人でも、なんだか、顔がにやけてしまう。

「さて……ハニーは、どこに行ったかなぁ?」

 この部屋には、誰も居ないのに、言葉を声に出したのは。

 自分の中での照れ隠しだ。

 ずっと、床の上に寝転がっているワケにはいかす。

 ……浴室かな?

 まさか、キッチンで食事を作っているのかな?

 と。

 幸せな想像をしながら。

 力の入らない下半身を励まして、起き上がろうと。

 じたばたしている僕の顔の上に。

 白いメモ紙がひらひらと舞い落ちて来た。


「……なんだ……?」


 ベッドから転げ落ちる前には、サイド・テーブルにでも置いてあったらしい。

 僕宛ての置き手紙だ。



 ……その。



 一見、素っ気ない紙に、さらに、素っ気ない走り書きで書かれた内容を見て。

 僕の感情(こころ)は。


 いきなり急降下した。


 ……だって、中身は。



『佐藤君と沖に出る。
 昼には、帰る』



 ……と言うヤツだったんだから!



 
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