クリスマス・ハネムーン【ML】
 明るい金髪に、蒼い目。

 鍛え抜かれたゴリマッチョで。

 ハニーよりやや年上に見える、いかにもベテラン風の警官は。

 後ろから駆け寄って来ると……

 ……僕を素通りしやがった。

 そして、僕ともめている、ドアボーイの方と、何やら話を始める。

 二人とも大げさな身振り手振りで、僕を指差し、なんだかんだ喋っていても。

 それが超~~早口だったから。

 僕は、彼らが一体。

 何の相談をしているのかも、判らなかった。

 ……

 しばらくして、何らかの話はついたらしい。

 ようやく、警官が、僕に向かって話しかけて来た。

「Hey Boy!」

「あい、きゃん、のっと、すぴーく、いんぐりっしゅ!」

 そんな、べらべらと喋られても困る。

 自慢じゃないが、専門学校入試の時。

 ハニーを巻き込んで、必死になって覚えた英語は、キレイさっぱり忘れたんだからな!

 僕が鼻を鳴らして、へたくそな英語を使えば。

 警官はひょい、と片眉を上げた。

「Are you Chinese?
 Or……is it South Korean?」

 とたんに。

 ゆっくりとなった言葉を、一生懸命聞いてみれば。

 どうやら僕のコトを中国人と、韓国人のどっちだ? と聞いているようだ。

「のー、あいむ、じゃぱにーず!」

 そう、言ったとたん。

 警察官は、なんだか嬉しそうに、ほほ笑んだ。

「GREAT!
 ……良かった。
 俺、日本語は、得意なんだ」

「……は?」
 
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