クリスマス・ハネムーン【ML】

獣たちの夜



 ある夜、ベッドの中で。

 僕達は、永遠の愛を誓った。

 リアルな背徳の恋を。

 居るか居ないか解らない神様になんて任せられずに。

 愛し合った直後の。

 淫(みだ)らな。

 でも、変に冷静さを取り戻した。

 お互いのカラダに、魂に、誓いあう。




「ハニー……僕達は、ずっとずっと。
 一緒に暮らして行くんだよね?」

「ああ、そうだ、螢。
 どんな物語だって。
 二人が結婚してめでたく終わるんだ。
 私たちも、例外じゃない」

「それは、王子さまとお姫さまの話だろ?
 僕達は、二人とも王子なのに?」

 僕の言葉に、ハニーは、緑色の目を細めて笑った。

「王子同士でも変わらないだろう?
 籍を入れたら、それでおしまい。
 二人で、幸せな。
 何事も起こらない、平和な日々を送れば良い」

 今まで、螢には、いろいろなことがあり過ぎて大変だったけど。

 これからは、自分が守ってゆくから。

 二人で、のんびり爺(じじい)になれば良いと。

 確かにハニーは、そう言った。








 ……のに。







 ……ハニーの嘘つき。


 
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