ぼくとわたし
第1試合
私は…僕になりたかった。




なりたいんじゃない。



いつからだろう…私の心は常に僕だった。



だから高校生である私の制服のスカートも嫌で嫌でたまらなかったし,友達と遊びに行く服に何度困っただろう。




大学になった今でもスカートには抵抗があるが…







もしも僕が高校の時 恋というものをせずに 私になることができなかったら 多くの偏見の中 一人の男として生きていただろうか。



自分自身の心もそれで満足だったはずだ。









…でも 今の私には女として生きる理由がある。




女とし生きなければならない理由がある。







だから今はこうやって過去を綴ることで自分の過去と向き合い気持ちを固めることにする。







もちろん先生に感謝の気持ちを表すためにも。



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