カウントダウン
「アンタに目もくれないで他の女ばっかり相手にしてんのにそれでも好き?どこが?見た目がいいから?」
冷めた目で淡々と話す祐介は、どこかイラついていた。
「見た目なんて関係ない」
「じゃあなに?……ああ、セックスがいーワケ?離れられない体になっちゃったとか?」
「っ違う!!そんなんじゃないよバカ……」
「またまたぁ〜、悠斗も色んな女相手にしてっからな、けっこういいテク持ってんじゃね?今更恥ずかしがんなよ」
「そんなんじゃない!!それに……私っ、そーゆー事好きじゃない。……痛いだけだもん、毎回早く終わってほしいって思ってる。…って…ああ!!っそ、じゃなくて……あの、ね……悠斗のいいとこちゃんと知ってるんだよ、私」
祐介に誘導尋問された訳じゃないけど、結果的に失言。
あー、やっちまった。なんとか別な話題にしないと。
「悠斗のいいとこ?」
よし食い付いた!
「うん。付き合う前ね、帰り道で私見たの。雨の酷い日にね、雨宿りしてたおばーちゃんに自分の傘を貸してたりとか、小学生の自転車のチェーンを直してあげてたりとか、お休みの日に公園で小学生とサッカーの相手をしてあげてたりとか。どれも素敵な笑顔だった。入学早々遊んでるって有名だったけど、そんな一面を見て好きになっちゃった」