カウントダウン
最悪な彼氏の不器用さ
家に着いた時にはもう日付が変わっていた。
私は心の迷いが少し軽くなったけど、祐介は明日キツいかもな〜なんて考えると気が引けるけど、おやすみを言って帰っていった祐介は元気だったから少しだけほっとしてる。
明日はおかず一品増やしてあげよう、なんて考えてから携帯を開いた。
“こんな時間にごめんね
話したい事があるの
放課後時間あるかな?”
それは悠斗へのメール。
今後の事を話し合いたいから。
私が決めた一年記念日……別れるまであと43日。
その日までに今の私には到底返せる金額ではないけれど、それでも前に進みたい。
もう意地とか、思い出とか考えない。きちんと向き合って、返済もしっかりする。
父親と話し合った時はこの世の終わりみたいに思ってたのに、ほんの少しだけ祐介と一緒にいただけで自分を保てる。
祐介といると、私もしっかりしなきゃ、もっと頑張れる気がする!なんて、何故かそんな前向きな気持ちになれる。
寝る前にもう一度だけ、ありがとうとおやすみを祐介に送信して眠った。
せめて夢の中だけは、幸せなものがいい。
巨大ケーキを泳ぐように食べたいとか、そんな感じでいいから。
でも、私の中の深層心理はやっぱり不安要素を映し出した。
夢の中の私は、ドキドキと緊張しながら父親の働くオフィスビルの前で深呼吸をしていた。
(嫌だ、今日……正確には昨日合った事が再現されてる)
現実的な気持ちと、それに反応しない夢の中の出来事。
この後何が起きるのか分かってるのに、目を覚ます事ができない。