カウントダウン
「どーでもいいじゃんそんな事。ま、確かに祐介はいい噂聞かないからもっとマジメな男の方がいいなーとはあたし的に思うケド
悠斗は女とっかえひっかえなんだから言える権利ないよねぇ〜。彩音ちゃん、頑張んな!応援する。
てか、アンタらもさ、自分が相手にされないからってこんな事して、虚しくない?
“あたしぃ〜モテないからヒマでこんな事してるのぉ〜”
って必死感バレバレなんだけどぉ〜」
なんて理奈ちゃんが言ったら私のクラスの女子はみんな笑っていた。
ケバゴンは怒りで何かを言おうとしてたけど
「今後、こんなバカな真似してみなよ。アタシがただじゃおかないから。ウチのクラスの子侮辱する奴ら全員許さない」
なんて理奈ちゃんの言葉で押し黙った。
「何の騒ぎだよ」
そんな中、悠斗の声が響いた。さっきまでビクビクしながら写真を剥がしてたケバゴンと取り巻きたちは味方を発見したかのように表情を明るくして、甘い声で写真を見せ始めた。
「悠斗ぉ〜いいのこれぇ〜あの女祐介まで誘惑しちゃってさー悠斗かわいそうだよぉ〜」
イラッとするけど、もうそれでいいって思った。嫌われてもいい。別れを切り出すのは悠斗からでも構わない、そう思ったのに……。
「俺の女と俺のダチが会ってたからなんなんだよ。てか、朝っぱらからこんなくだらねぇ事してんじゃねぇよ」
何事も無いような態度で写真を丸めてごみ箱に捨てた。
そして悠斗は私の前まで来て優しく笑った。
「放課後……な」
耳元で囁くと、そのまま教室に入っていって、それを見ていた野次馬の集団も散らばっていった。
祐介が来る前に終わった事にほっとして、理奈ちゃんにたくさんお礼を言えばいつもみたいに巻き毛を触りながら照れていた。
「祐介狙いとかサイテーじゃない?」
だけど、あっという間に広がる噂は私への風当たりが強くて、生まれて初めて机の中にシネとかヤリ○ンとか、別れろとかの紙切れが入ってて、体操着袋はボロボロ。
「ちょっ!!記念!みんな見て見て!」
ついはしゃぎながらそれらを写メした。