カウントダウン



今の私はちゃんと分かってる。あの男はもう駄目だって。



周りの友達にも散々言われてきたから。


前回別れを切り出したのも確か友達に言われたからで、本当は別れたくなかった。



だからこそ、別れないって言われて嬉しかった。



こんなの彼女とは言えないよって、散々ブーイングされたけどね。




私の彼女だって証拠は



悠斗のマンションの合鍵。

因みに悠斗は複雑な家庭環境で今一人暮しをしてる。




そして悠斗自身が学校で私が彼女だって言ってる事。


この2つだけ。たったこれだけ。



だけど合鍵って、私しか持ってないから。


このマンションに来れるのは私だけ。それだけは本当だった。



だからこそズルズルとここまでやってきたけどもう無理。




限界を感じたのは、付き合って8ヵ月たった時だった。



そして思った。付き合って一年目を区切りにしようって。

『好き』の感情を無くして今は10ヵ月目を迎えた。


あと2ヵ月、しっかり悠斗を目に焼き付けて、もうこんな辛い恋はしないって誓うんだ。



まぁ、その前に別れを切り出されたらそこで終了だけど。



何度も迷って、ようやく覚悟が決まった。





菊地彩香、女にだらしない悠斗と別れるまで、あと60日。






「あーこの肉じゃがマジで美味しい。あいつの舌どーかしてんじゃないの?美味しい中華?マジウケる。本当に美味しいの?その店」




一人寂しく完食して、片付けてこの部屋を出た。





< 2 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop