カウントダウン
私はどうしたいんだろう。
別れたいと思って、別れる決意をした。
なのに、優しくされると決心が鈍る。鈍らないために、優衣に決意表明までしたのに。
ぐらぐら揺れる心が嫌になる。別れたい、だけど
別れたくない。
優しくしないで。
優しくされると、別れられなくなる。
優しくされると、欲が溢れ出すから。
私だけを見て。
私だけを……。
そしたら、私は悠斗の傍にいるよ。
なんて無意味に考えちゃうよ。
「彩音、今度はお前が」
ぐるぐる思いを巡らせていたらいつの間にか悠斗はお風呂から出ていて、目の前にドライヤーを差し出した。
「うん、分かった」
別れたいのに、別れたくない。
こうして触れると、また優柔不断の嫌な自分が出てくる。