カウントダウン
「そっか、少し変だったのはそのせいか?あんま無理すんなよ」
「え……?」
それは、考えられないような事。
優しい笑顔に、優しい温もり。
「寝るか。明日は一緒に行こうな。おやすみ」
「おやすみ……」
罵る事もしない、他の女のところにも行かない。
悠斗は軽くキスをして、私を抱え込むように眠りについた。
夢?
悠斗の考えがますます分からない。
何を信じていいのか、分からない。
目を閉じている悠斗はとても無防備で、少しだけ幼さが残っている。
「かわいい寝顔……」
最近はもう、寝顔なんて見なくなった。
付き合った時に、私だけいればいいって言ってくれた。他の女はもういらないって。
でもまさか、この寝顔も他の女と共有しなきゃならないなんて……。
ねぇ悠斗、私はあなたにとってバカな彼女?分かんないよ。
温もりに包まれて、悔しいけど幸せだと思う自分がいた。
しがみついて、目を閉じる。
バカだけど、幸せになりたい。そんな自分が眠りについて見た夢は、悠斗に出会って恋をして、幸せだった時のもの。
やっぱり、私……追い込むのが好きなどM?なんて嫌悪。断じて違う。私は苦しいのはキライ。