カウントダウン
「はぁ!?マジで!?」
「いや、彩音……落ち着いて。あたしの勝手な憶測だから。ただ、彩音は悠斗君に散々振り回されたのに、更に振り回されるなんてあたし嫌なの。
彩音には、幸せになってもらいたいんだよ。あたしだってね、智也と喧嘩もするし不安になったりする時もある。でも、やっぱりそれ以上に幸せを感じる時がたくさんあるから。
彩音にも、そうゆう恋愛をしてほしいの」
「うん。分かってる。私も、優衣みたいに笑いたい。ちゃんと、周りをよく見る。みんなの意見も、聞く。だから心配しないで」
「心配ならするって。悠斗君以外の男子とやっと接点持ったと思ったらあの祐介君だし。とにかく!一人で突っ走んないで。噂が外れてたらいいけど、もしも祐介君が彩音を騙そうとか思ってる様子が見えるようならあたしにもちゃんと報告してよ!祐介君とは友達として、距離をとって!!」
「はーい。ありがとう。心配性なんだから」
「彩音については心配事しかないよ。あ、そう言えば悠斗君も少し気になる点があるんだよね」
「え?なにを?」
「彩音の作った料理をマズイって言うでしょ?なんでなんだろう。私だって何度も食べたけど、本当に美味しかった。
悠斗君だって、本当は美味しいって思ってるはず。でもそれを言わない理由があるんだと思うよ。
彩音に冷たくあたる理由も、もしかしたら手作り料理に関係するのかも。あ、これも勝手な憶測だけど」
「……優衣、もうどうでもいーんだ。私、きっともう悠斗にごはんを作る事はないから」
分からない事ばっかり。
だけど、それでもいい。祐介が何を思って私に近付いたのか?
悠斗が今何を思っているのか?
そんなの、もうどうだって良かった。
私は、こんなちっぽけな私に、必死になって色々考えてくれる友達がいる。
その事実だけで、幸せだと思ったんだ。