カウントダウン
「お弁当箱も買うの?」
「さすがに悠斗と同じじゃな……」
罪悪感とか、祐介にもあるんだろうか?
ヒョイヒョイカゴに入れてレジに向かって、私の分までお金を払ってくれる。
レジの前で私の分のお金を出そうとしたら、氷のような鋭い視線で睨まれた。
あまりの恐ろしさにすぐに引っ込めてお詫びの言葉を並べる始末。
祐介の視線だけで死人が出るんじゃないかってくらい怖かった。
「……祐介、ありがと。なんかごめん、払ってくれるなんて思わなかったからシュークリームまで買っちゃった」
「俺だってバイトしてる。全部俺の金だ。気にすんな。」
「うん……本当にありがと。でも、次はいいからね。コンビニの幻のスイーツさえあれば」
「……ああ、分かった」
気付けばレジ袋には買い物品が全て入ってて、なんだか至れり尽くせりで。
こんな風にさりげない祐介は、なんだかんだ言って女の子の扱いが慣れてる感じがしないでもない。
彼女はいないって言ってたけど、それはどーゆー意味なんだろう。
“今は”いない。って事なのか、“過去”も“今”も“未来”も彼女はいらないという事なのか。
噂に翻弄されるのもどうかと思うけど、実際のところどうなんだろう。
噂通り、悠斗狙いなの?
なんて聞いたらその瞳で射殺されるだろうな。
事実でも事実無根でも。
「さっきから何考えてんの?」
「えっ!?あ、あのね、えーと……今日!ウチのファミレスに来る曜日じゃないんだってね?」
「……なんで知ってんだよ」
「奥田さんがね、あー……奥田さんってパートの人なんだけど、祐介のファンでチェックしてるの」
「ふーん。たまたまだよ、今日バイト無くなって。気が向いたから行っただけ」
「そっか」
「彩音に会いたかったからって言ったほーが良かった?」