カウントダウン
今日もまた、一日が終わっていく。久しぶりの自分の家は、相変わらず寂しかった。
でも、明日からまたお弁当を作れる日々。祐介になら、自信がなくなった私の手料理を安心して食べさせてあげられる。
そう思うと、ワクワクする自分がいる。
悠斗へのお決まりのオヤスミメールを送ってから、祐介に今日のお礼とまた明日って内容を送れば、
“また明日な”
なんてぶっきらぼうな一言が即メール。
「どっちが彼氏だよバカー!!」
相変わらず、悠斗からのメールは無かった。
「そーだよね、今日お泊まりだもんね」
ブツブツ独り言。情けない。悠斗離れするって決めたのに。
明日のため、もう寝なくちゃなんて必死にベッドの上で目を瞑ってゴロゴロすれば、もう睡魔がすぐそこ。
寝つきの良さに脱帽だ。
そして、見た夢といえば悠斗も、悠斗を信じてる私も、もう出てこなくて、代わりにキッチンで張り切る私が鼻唄を歌っている、そんな夢。
朝になれば驚くほどスッキリした寝起きで、顔を洗って祐介のリクエストを次々に完成させた。
ほんの少し、胸が痛んだ。まだ住み着いている悠斗を想う私の気持ちが、自身の行動に文句を言っている。
裏切り者。まだ別れてないじゃない。
そう思う自分が、まだ心の真ん中に鎮座している。
そんな気持ちさえも振り切って、身支度を済ませて学校に向かうけど、カバンの奥の奥に祐介のお弁当をしまいこむ私は、やっぱりイケナイ事をしているって自覚してる。
だって秘密、だもん。
そう言い聞かせて、学校へと急いだ。