カウントダウン



「何黙り込んでんだよ、らしくねーな。まぁ理由はどうあれ、あの態度は彼氏としてダメなんじゃねーの?アンタも根性あるよ。だから、もう無理すんなよ」



“もう無理すんなよ”の言葉の部分が一番優しい声色で、見せてくれた笑顔さえも優しく感じた。



「……ごめん祐介、大切な友達の人格を変えちゃうみたいな彼女で。……ちゃんと、気持ちに整理つけるから。私と別れればきっと祐介の知ってる優しい悠斗に戻るから……」



「なんだそれ。また自虐的になってんの?っとに自分追い込むの好きだねー」



へらへら笑ってお弁当を食べてくれる祐介は、どんなに私をバカにしてもその優しさは隠れてなくて、私自身もその優しさに癒されてるのを感じてる。



悠斗とお別れするのは辛いって思ってた。だけど今は、祐介のためにも悠斗を解放してあげようと思えてきた。



ちゃんと、円満に別れられるように。




「なぁ、その肉食わねぇならもらう」



「ちょっ!!大事に取っといたんだからやめて!!ああ……すでにお口のナカ……この鬼畜め(ボソッ)」


「あ゛あ゛!?」


「……なんでもないデス」



優しさに見直したけど、やっぱりその瞳は恐ろしい光線が出てた。





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