カウントダウン
でも!あれだから!!今日はバイクで移動はしないって言ってたし、だったら私だって女の子らしくしようかなって選んだのがこの前優衣と買い物した時に惚れ込んだこのワンピースで、これに合わせる………って!!なに焦ってんだろ私。
女の子なんだからお洒落したっていいじゃない。
焦る必要なんてない。
……違う、私もう気付いてる。今日……凄く楽しみにしてた。
祐介に誉められたいなんて微塵も思ってないけど、でもかわいい自分になりたいって思ってる。
悠斗の事、好きなのに。
私……祐介が気になって仕方がない。
祐介から見た私は、単なる悠斗の彼女だなんて思われたくない。
なんだろう、私……やだ。浅ましいよ、こんな女。
祐介の中では
悠斗>>>彩音
かも知れないけどさ。
私、祐介には嫌われたくない。そんな風に思ってる。
思ってるだけなら、浅ましい女じゃないのかな?
でも、祐介に知られたらきっと嫌われる。彼氏の友達が気になってる、だなんて。
祐介はただ、私がちゃんと悠斗離れ出来るようにしてくれてるだけなのに。
「やだ、もうこんな時間」
煩悩は全部振り払って、私は急いで待ち合わせの場所を目指して玄関を出た。