カウントダウン
「何が俺もなの?」
「俺さ、卒業後もソレイユで働いて、年齢達したらソムリエになるのが夢。一流の腕を磨いて、いつか自分の店開くんだ」
「すごいね……」
意地悪で、モラルもデリカシーも無いって思ってた。でも、自分の夢を語る祐介は、無邪気に笑って
私のドキドキが、ハンパない。
やだ、良いのは見た目だけなんて嘘。
中身も最高にカッコいい……。
「ワインスゲー美味いし」
「未成年者の発言とは思えないくらい堂々としてるね」
「ハイハイ。でもさ、俺と彩音、運命感じない?」
……本当にもーやだ。
運命感じたその先には何もないくせに。
祐介は、チョコレート菓子のように私を魅惑する。
「感じなーい」
「感じろよ馬鹿」
結局いつも通り言い合いになって、甘いお菓子を堪能した私達はお持ち帰りの内容にも満足して、お店を出た。
「また来ような」
「……うん」
頷いて良かったのかな?
でも、好きな女の子と一緒に来たら?なんて強がりも言えなくて。
「今度来る時は、ちゃんと悠斗と別れたらな」
「分かってるよ」
急に、悠斗を思い出した。
罪悪感を感じなくなってる事に罪悪感を感じる。