カウントダウン
「まだ時間あるから、少し付き合えよ」
「なんで命令口調なのよ」
「好きだろ、命令」
「!!!!」
完璧マゾだって思われてる。
「私、優しくされるのが好きだもん。どちらかと言えば褒められて伸びるタイプ」
「何ゴチャゴチャ言ってんだよ、早く来いよ」
急に手を掴んで歩き出す祐介は、らしくない事をしたからなのかジャラジャラと装飾されてる耳を赤く染めていた。
それは恋人繋ぎじゃなくて、ただ誘導されるために繋がった手と手。
だけど、手も顔も熱くて。きっと私はこの瞬間にイケナイ感情を持ったんだ。
付き合ってる彼がいるのに、他の人を好きになる。しかも見込みなし。
女好きで浮気を繰り返す悠斗と、見込みがなくても本気で気持ちが移ってしまった私。
どっちが罪深いんだろう。