+三人の花嫁+~BeLoved・・・xx~
三人の花嫁 Ⅰ June bride
 6月21日 哀花さん

 朝日を浴びたカレンダーに可愛い字でそう書かれている。
 あたしは、ロイにお化粧をしてもらいながら、それを見た。

 『ふふ・・・』
 不気味な笑い声にロイは驚く。
 「大丈夫か?」
 大丈夫!あたしは、そう言うとロイはあたしの頭をポンッと叩いた。

 「ほら、ユナ行くぞ。」
 微笑するロイは、格好いい。
 触れられているだけなのに、赤面してしまう。

 『あ・・・待って!ってか、あたし哀花の花婿さんまだ見てないんだけど・・・』
 「そうだったか・・・?たぶん、見て驚く。」
 肩を鳴らして笑うロイにあたしは首をかしげた。


 
 「優菜さん、来てくれてありがとう」
 純白のドレスを身にまとった哀花さん。
 『哀花さん綺麗!!』
 あたしは、哀花さんにお祝いのお花を渡すと椿が言った。
 「花婿の方、予想以上に格好良かった」
 『え!ロイよりも?!』
 「ロイさんの次ぐらい」
 おぉ・・・相当かも

 「あ・・ほらっ!ロイさんの隣にいる人!」
 椿の目の先には・・・・


 あたしは、目を疑ってしまった。

 『え・・・えぇぇぇっ!!!!』
 二人が部屋に入ってくるなり、あたしの声が響く。

 「どうしたの・・・?優菜」
 椿だけじゃなく他の皆が、あたしがイタイ目で見てきた。

 だって・・・
 そこには・・・・

 ただ、ロイだけは笑みを浮かべ、例の花婿だけがあたしと同様目を疑っていた。

 『麗華・・・??!!』
 「・・・舞?」
 あたし達がハモり、確認をする。

 『なんで・・・いんの?!』
 「いやいや・・・お前こそ・・・そうか、お前本名神ノ江優菜だもんな」
 一人で納得する麗華。
 その顔がものすごい嫌そうな顔。
 
 
 
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