+三人の花嫁+~BeLoved・・・xx~
Ⅲ禁を犯したgirl
椿said
「椿・・・」
『優菜、もう決めたことなの』
優菜に言っているのか
自分に言っているのか・・・わからない
「あ、ロイ!!コウさん!」
優菜の声で震えていた体をコウのほうに向けた。
「ユナ」
「・・・ロ、ロイっ」
優菜の焦り声が聞こえた。
見なくてもなにをやってるかぐらいはわかる。
「はいはいはい、イチャつくなっ!」
勇気あるなコウ。
あの新婚さんに、声をあげるとは・・・
「いちゃついてなどいない」
「・・・ったく」
ロイさんは自覚がないのか、それともわざとなのかわからない。
「ねぇロイっ・・・椿が可哀想だよ・・・自分の意思で結婚出来ないなんて!!」
涙目になりながら優菜は呟く。
『私が・・・承諾したから・・・ね?優菜』
だから・・・もう、いいの。私は、心の中で唱えた。
「でも、椿の顔幸せそうじゃないよ?」
「ユナ、これ以上俺達が関ってはいけない。コウもそんな顔するなよ」
ロイさんはそれだけ言って、優菜をつれて出て行った。
「椿!このまま逃げちゃえっ!!」優菜は、そう言った。
『コウも席に早く・・・』
早く行け!そう言おうとしたあたしの声は掠れていた。
「椿ー・・・俺は」
『やめてっ・・・コウお願い、言わないで!』
私の決心が揺らいじゃうじゃない
だから、もう言わないで・・・?
「自分の情を押し殺すトコは変わってないな・・・昔から」
切なく笑みを浮かべるコウは、私の体を見透かす。
『なにが?』
「そんな顔してよく自分で決めたことだと言えるな」
『私の判断を揺るがせないで』
コウが私の手を捕らえてそのまま壁に押し付けた。
「判断・・・?どうせ、脅されたんだろ?」
捕まれた私の手からコウの熱が伝わってきた。
なんでわかっちゃうの・・・?
脅されたよ?
でも、本当のことは言えない。
あなたに関ることだから・・・
『脅されてなんか・・・いないよ・・・』