+三人の花嫁+~BeLoved・・・xx~
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 『ここまで長かったね・・・』
 「どれだけ待ったことか・・・」
 
 ホテルの寝台でおしゃべり。
 どうしても寝れないから、ロイがいいよ。って言ってくれた。

 『あのさ・・・結局、あの曲の名前教えてもらってないよ?』
 あたしが泣いてるといつも弾いてくれた曲。
 なぜか、そのメロディーがあたしは大好き。

 「・・・今から、弾くか?」
 『えっ?バイオリン持ってきてるの?』
 「いや、あれを使う」
 子供が悪戯をするときみたいに笑うロイ。
 部屋に飾ってあったバイオリンを手にとる。

 「ピアノは、グランドピアノがここにあるしな」
 あたしはピアノの前に座った。

 ロイの目を見る。
 これが、準備できたよ。と言う合図。

 それから、ロイとあたしの息が重なる四分間が始まる。
 心地の良いロイの出す音色。 
 ついつい暴走してしまうあたしを、優しく落ち着かせる。
 日常の生活でもこうやってロイが支えてくれているんだな。そう思わせてくれる曲でもある。
 最後の音を触り終え、あたりは静かになった。


 「この曲名は、Belovedって言うんだ。身分の差から結ばれない男女が、駆け落ちをするまでを描いている曲だと言われているんだ。」

 あたしの頬に手を持ってくる。

 「幼いユナには、言いたくなかった。」
 微笑しながらあたしの腰に手を回すロイ。

 
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