+三人の花嫁+~BeLoved・・・xx~

『あ・・・!!』
 するりとロイの腕から抜けたあたしは、寝台の上に乗った。

 『ロイ、こっち来て?』

 「は・・・?」

 『いいのっ!』
 
 やっぱり・・・ロイって背が高い。
 寝台に乗ったら少しだけあたしが高くなった。

 あたしは目を瞑ってロイに唇に触れた。

 『・・・いつものお返しっ!!あたし、もう寝るっ!!』
 
 あたしは後ろに振り向いた。
 後ろからの視線が痛い。
 
 「ユナ、こっちを向け」
 
 やめて・・・そんな声で言わないで?
 
 「ユナ、こっちを向きなさい」
 執事口調のロイには、従わないといけない。

 『そんな声で呼ばないでよっ!!あたし、どうすればいいかわからなくなっちゃう』
 そう言い終えた瞬間、あたしの目の前は真っ白になった。

 ロイのニオイに包まれる。

「ユナは、何もしなくていい。」
 キュッと力を入れられる。

 『でも・・・、あたしっ』
 「じゃあ、そのままでいてくれるか?これからも」

 ロイはあたしの髪を止めてあったバレッタを外した。
 サッと、音が耳に届きカチャっと滑らかな音が響く。

 「こんなに似合うのはユナぐらいだろうな」
 『これ持って来たの?!』
 「だって、俺らのモノだぞ?ま、子供が出来て結婚するときにそいつ等のモノになるけどな」
 
 子供かぁー
 男の子だったら、ロイ似かな?
 チビロイ・・・なんってね

 クスッと笑ってしまった。
 怪訝そうな目でロイに見られ慌てて訂正をする。
 「何考えてた?言ってみなさい」

 『子供がね男の子だったらロイに似てるだろうなーと思って。小さい頃のロイだから・・・チビロイって・・・・思っただけ・・・子供出来たらいいねっ!』
 
 あたしがそう言うと、ロイが額に手を置いた。
 『ど、どうかした?』
 「あのな・・・ユナ、チビロイってどうかと思う。・・・じゃなくて、子供?!」
 
< 9 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop