わたしだけのお医者様
すると、さっきまで太陽で反射して見えなかった相手の顔が、雲で太陽が隠れたおかげで、やっと見られる事ができた。
わたしはその時、仰天した。
「お、女の子?!!」
そう。あの低くて鋭い声は、女の子の声だったのだ。
その子は、わたしより1、2歳年下っぽい女の子だ。
女の子はわたしと目が合うと、ニカっと素敵な笑顔をこぼした。
「ビックリしましたか?」
甲高い、可愛らしい声で、女の子はわたしにそう言った。
「…どーゆー事?」
わたしの頭が、ハテナでいっぱいになり、頭が朦朧としてきた。
フラっとし、倒れそうになった時、女の子がギョっとした顔でこちらを見てるのが見えた。
すると、女の子の後ろの扉から、誰かが出てきた。
と思ったら、その人はわたしを軽々持ち上げてしまった。
ふいに、お姫様抱っこされてしまったのだ。
「え、えぇ…?!!!」
驚きのあまりわたしは、さっきの頭の朦朧が嘘のようにハっと目を覚ました。
そして、みるみる自分の頬が熱くなっていくのが分かった。
「大丈夫ですか?お嬢さん?」
先ほどの、低くて鋭い男の人の声だ。
どうやら、この男の人が奥で喋っていたらしい。
でも、なんでこんな面倒な事を…?
「あ、あの…」
わたしは恐る恐る話しかけてみた。
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