パステルカラーの恋模様

その時。


バタバタバタ、ガーッ!


……え?



「大丈夫ですか?!…うおっと…」


ドアの外にはオーナーさんと、業者の皆様が。あたし達の様子を見て、わざとらしく咳をして、「…お邪魔でした?」と呟いた。



あたしはボンッと顔が赤くなった。


き、気まず~…!



「とっ、とんでもないです!素早い救助、ありがとうございます…」

「いえいえ。新築にも関わらず、故障とは…。本当に申し訳ありませんでした。しっかり整備チェックさせていただきますので、しばらくは階段の方をお使いください」


「はい…」



この“邪魔”が、ありがたいような、そうじゃないような…。


ちらっと啓太を見ると、啓太もちらっとこっちを見た。



そして、ふうっとため息をついて、「散々だったね」と笑った。


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