パステルカラーの恋模様
あと一週間もしない内に、冬休みに入る。
冬休みがあって、年が明けて、少ししたら最高学年だ。
そういえば、この前の進路希望調査に、あたしは一応、文学部と書いておいた。
一番無難でしょ?
まだ夢も決まってない人が選ぶ学部としては。
そういえば、啓太は将来、何になるつもりなんだろう。
昼休み、あたしは明日香と一緒に食堂に出向いた。
生徒が列をつくり、ざわざわと騒がしい。
あたし達はいつもはお弁当だけど、時々こうやって食堂も利用している。
「美園、何にする?」
「あたしは、A定食!今日、カボチャコロッケだから」
「じゃあ、あたし、しょうが焼き定食にしよーっと」
それぞれが食券を買い、料理をもらってトレーを持ち、空いている席に座った。
「いただきます」と箸を割った。
「ねぇ、美園さぁ、ちょっと気が早いけど、もうすぐクリスマスだね!」
「くりふまふ?」
あたしは口を押さえながら聞き返した。
そうか、冬休みに入ったらすぐクリスマスだ。
もう街には、イルミネーションが着き始めている。
明日香はニヤニヤと笑って、箸をくるくる回した。