パステルカラーの恋模様

こっちのコーナーには、わりと値段が手ごろな物が並んでいた。

ホッ。


明日香がるんるん気分で物を物色していく。



「明日香は京吾くんに何買うの?」


「んー、まだ決まってないんだけど…京吾、帽子とかよく被るから、それもいいかなーと思って。アクセサリーとセットにしてさ」

「あれ、ペアリングじゃないの?」




すると、明日香は幸せそうにニマニマと笑い、「それは、京吾が。ねっ」とあたしの肩をぽんっと叩いた。


う~っ、うらやましいぞ、明日香ぁ!

あたしはすごい負け犬の気分…。



「あっ」


あたしは、その時、あるマフラーを発見した。

ちょっとめずらしい色合いの、ワイン系(薄い紫っぽい)グレーチェックのマフラー。



あたしは、頭の中の啓太のイメージに、そのマフラーを巻いてみた。

似合いそう…!


「あ、それいいんじゃない?!」


明日香が顔をひょこっと出してきて、絶賛した。



「変じゃないかなぁ…」

「ぜんっぜん!いいよ、それ。てか、似合いそうだね、王子に」

「違うって、もう~っ」



明日香は、うししっと笑い、あたしは顔を赤くした。


でもやっぱり…



王子ってあだ名ぴったりだ~!
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