パステルカラーの恋模様
だけど啓太がにこって笑って、鼻歌を歌い出したから、気まずい雰囲気になる事はなかった。
「ツリー出してよかったな」
「え?」
「だって一人だったら、出すのもあれかなーって思ってたんだけど、美園は喜ぶだろうなぁと思って出したの、ツリー」
「そ、そう…なの?」
「うん」
笑顔がまぶしい。
ね、啓ちゃん、いい感じじゃない?あたし達。
他の人から見たら、恋人同士だよ、きっと。
だってこんな、こんな優しい空気が流れてるよ。
『好き』って言葉、きっと受け取ってくれるよね?
啓ちゃんも、好きでしょ?あたしの事。
そうだったらいいな。
ねぇ、そうだよね…?
本当に、
言ってもいいかな、あたし。
ねぇ、啓ちゃん。
「あの、啓ちゃん…」
「ん?」
「…あたし、あたしね…」