パステルカラーの恋模様

その時、電話が鳴った。

ガクッとなったあたし。


啓太は「へいへい~」と立ち上がり、あたしは、わざとらしく咳をして髪を耳にかけた。


やっぱり、あたしってタイミング悪い女…。


ていうか、何かの陰謀かも。

いつもいい雰囲気になると、邪魔が入るんだ。


「もしもし?あ、母さん?」


え?啓太ママ?!

あたしも立ち上がって啓太に歩み寄った。


「うん、今一緒にいるよ。変わるね。ん」


あたしはちょっと照れくさい気持ちで受話器を受け取った。


「も、もしもし、美園です」

『あらっ美園ちゃん?!メリークリスマス!』

「メリークリスマス!あの、美味しそうなシャンパン、ありがとうございました」

『いいのよ、二人で乾杯してね!すっごく美味しいから』

「はいっ」



啓太ママはやっぱりハイテンションだ。

そして、啓太ママはピンクな声で話した。



『今日は聖なる夜だけど…、啓ちゃんと仲良くね。愛よ、愛』



あたしは、そう言われて、チラッと啓太を見た。

すると、啓太は腕を組みながら、「ん」と笑った。



あたしは頷いて、「はい」と答えた。


しばらく話して、啓太に変わったりしてから、電話を切った。




愛…かぁ。

あたしは、啓ちゃんのこと、愛…あ・・・ちょっと言うのは恥ずかしいけど…。



でも、大好きだよ。


今なら、勢いで言えそうだ。

誰かあたしに、勇気を・・・。
< 123 / 257 >

この作品をシェア

pagetop