パステルカラーの恋模様
その時、電話が鳴った。
ガクッとなったあたし。
啓太は「へいへい~」と立ち上がり、あたしは、わざとらしく咳をして髪を耳にかけた。
やっぱり、あたしってタイミング悪い女…。
ていうか、何かの陰謀かも。
いつもいい雰囲気になると、邪魔が入るんだ。
「もしもし?あ、母さん?」
え?啓太ママ?!
あたしも立ち上がって啓太に歩み寄った。
「うん、今一緒にいるよ。変わるね。ん」
あたしはちょっと照れくさい気持ちで受話器を受け取った。
「も、もしもし、美園です」
『あらっ美園ちゃん?!メリークリスマス!』
「メリークリスマス!あの、美味しそうなシャンパン、ありがとうございました」
『いいのよ、二人で乾杯してね!すっごく美味しいから』
「はいっ」
啓太ママはやっぱりハイテンションだ。
そして、啓太ママはピンクな声で話した。
『今日は聖なる夜だけど…、啓ちゃんと仲良くね。愛よ、愛』
あたしは、そう言われて、チラッと啓太を見た。
すると、啓太は腕を組みながら、「ん」と笑った。
あたしは頷いて、「はい」と答えた。
しばらく話して、啓太に変わったりしてから、電話を切った。
愛…かぁ。
あたしは、啓ちゃんのこと、愛…あ・・・ちょっと言うのは恥ずかしいけど…。
でも、大好きだよ。
今なら、勢いで言えそうだ。
誰かあたしに、勇気を・・・。