パステルカラーの恋模様
クリスマスなのに。
今日は、特別な日なのに。
あたしはついに立ち止まって、空を仰いだ。
腕で涙を拭うけど、とめどなく涙は溢れてくる。
「うー…何で。何でよぉ…」
あたしは、木が植えてあるレンガの花壇の淵に座りこんで、顔を覆った。
くやしいよ。
中途半端な自分が情けない。
恋愛って、こんな苦しかったかなぁ。
直樹先輩の時とは、また違う気持ち。
叶うと思ってた恋だから。
あたしは今更後悔した。
本当は関係を崩すのが怖いくせに、どうしてあんな事が言えたんだろう?
「もうやだ……」
そう呟いた時、後ろから声がした。
「そこのお嬢さん、クリスマスに涙は似合いませんよ」
……え?