パステルカラーの恋模様

「さって!実はシャンパン持ってきちゃった。ここで乾杯しよ!」

「えっ?!ここで?さ、寒くない?」

「いいじゃん、いいじゃん」


啓太が箱からグラスを出して、あたしに渡した。

そして、シャンパンを注いだ。


キラキラ光って綺麗。


啓太は嬉しそうにあたしの目をまっすぐ見て、グラスを持ち上げた。

あたしも同じようにして、微笑み返す。



そして、2人のグラスはシャンっと重なった。



「メリークリスマス」



今、この瞬間が、ずっとこのまま消えないように。

あたしは、小さく祈ったんだ。



「美味しい!」

「うん、爽やか」



ほんのり桃の風味がする。

啓太がソムリエみたいに、グラスをくるくる回した。




その時、あたしは、ある事をハッと思い出して、手元の紙袋を探った。
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