パステルカラーの恋模様
『でも、これだけは教えてやるよ。中三の時、啓太は確かにある女と付き合ってた』
あたしはつい、唇を舐めた。
やっぱり付き合ってたんだ…。
分かっているとはいえ、やっぱりズシっと来るなぁ。
いけない、いけない、気持ちOFFにしたんだから。
ちゃんと演技しなくちゃ。
あたしはわざと軽い声を出した。
「そうなんだ。へぇ」
『でも、高校あがってすぐ別れたけどな。別れてすぐはかなりオチてたけど…あの頃、何があったのか、詳しくは俺もよく分かんねぇ』
「そうなの…」
その子が、啓ちゃんを裏切ったの?哀しい顔させたの?
『だからさ、お前もモヤモヤ抱えんのやめれば?』
「え?」
『聞いて見ればいいじゃん。俺が聞くのも微妙だけどよ、お前はいいだろ。彼女なんだから』
彼女……か。
聞けるもんなら、あたしだって聞きたいっつーの。
「……」
『何か、ワケありな感じ?』
「はっ、違うわよ…そんな……」
バカ、あたし、黙っちゃダメじゃん!
鮫島はあたしの心を見透かしてるみたいに、質問を投げかけてくる。